もんじゃ焼きの作り方は? 最初に土手をつくる理由【写真つき】
お好み焼きの生地よりもユルく水溶きした小麦粉を鉄板で焼いて食べる東京のローカルフード「もんじゃ焼き」。
お店によっては『水焼き』と言う場合もあります。
もんじゃ焼きのルーツとしては鉄板に文字を書くように作ったから「もじ焼き」という名称になり、それが段々と「もんじゃ焼き」と呼ばれるようになった説があります。
私達世代のもんじゃの原体験と言えば、酒のつまみやおかずではなく、近所の駄菓子屋の中にある鉄板でのおやつという認識でした。
もくじ
東京下町のソウルフード
下町で生まれ育った身としては、もんじゃは小さな頃から慣れ親しんでいる当たり前にある食べ物。
しかし、馴染みのない方々にとっては鉄板を目の前に『これ、作り方どうすればいいの?』という食べ物でもあります。
例えばまだ付き合いたての男女がデートにもんじゃ屋を選んだとします。
「彼女も、実は自分ももんじゃを作るのは初めて。どうやって焼いたらいいのかわからない、どうしよう」
なんてケースもあると思います。
というわけで今回は、もんじゃの焼き方(つくり方)について少々書いてみたいと思います。
もんじゃ焼きの流派?
もんじゃ焼きの作り方は「月島流」「浅草流」という2つの作り方があると言われているそうです。
- 浅草流(浅草派)
具材と生地など、器の中身を混ぜて一気に鉄板に広げ、ソースを入れる - 月島流(月島・上野派)
具材を炒め、土手を作り、生地を流し込み、具材はコテで切るように混ぜ合わせる
もんじゃ焼きの発祥は東京都台東区浅草近辺が有力とされていますが、今や月島流が一般的な作り方と言えそうです。
両手に持ったコテでカンカンカンカンと小気味よく具材を切っていくパフォーマンスが気分も高揚させて食欲も上がりますね。
初めてでも安心、もんじゃ焼きの作り方
今回は、男女がもんじゃデートするという仮定で、カッコいいもんじゃのつくり方を書いてみたいと思います。
写真は曳舟もんじゃダコタおすすめの、牛すじ・コーン・ねぎトッピング
1)火加減を見ましょう
強火に加熱した鉄板に油をひき、少々煙が上がるぐらいまで待ちます。
(この時、少し汁のついたスプーンを鉄板に滑らせ、ジューッと音をさせて火加減を見る動作をすると激シブです、カッコ良すぎます。手元を見ずに相手の目を見つめながら大いにカッコつけてください。手元を見ずにカッコつけていると火傷をする可能性が高いので気をつけて!)
2)具材だけを炒めます
ツウっぽく見せたいので、月島流で作ります。
器に添えられたスプーンを使って、具材だけをすくって鉄板にのせます。
きっちり具材をすくう必要はありません。すくいきれない具材はそのままで大丈夫ですよ。
3)土手をつくります
軽く炒め合わせた具材を中央をあけてドーナツ型に成形して「土手」を作ります。
4)土手に生地を流し込みます
具材に火が通ったら、土手の中央部に、器に残していた汁(生地)を流し入れます。
当店のもんじゃは味付け済みなので、そのままで。
(味付けしていないお店のもんじゃは、この工程で器の汁にソースを入れます)
5)焼けてきたら混ぜます
サラサラだった汁(生地)に熱が入りフツフツと、トロッとしてきたら全体を混ぜ合わせます。
サラサラのままだと土手から流れてしまうのでしばらく待ちましょう。
6)出来上がり!
グツグツしたら出来上がり!
「ミッションコンプリート」とかつぶやきながら精一杯キメましょう(あくまでも自己責任で)。
「…ミッションコンプリート」(ミッションコンプリート顔)
よくある質問 Question & Aanswer
Q. 土手が決壊して、汁が流出しちゃったらどうするの?
A. 当店の鉄板はカスを捨てる穴がないので、土手から流れ出ても慌てなくてOKです。
Q. ベビースターは、いつ入れるの?
A. 具を炒めるて汁を投入する時でも、仕上がってからでも、お好みのタイミングでOKです。
もんじゃを焼く時に土手を作る理由は?
なぜ人はもんじゃを作る工程で最初に具材でドーナツ型の土手をつくるのでしょうか。
それは、昔の鉄板に理由があるようです。
- 鉄板に縁(ふち)が無かったので、鉄板の外に流れ落ちるのを防止
- 共有の大きな鉄板で焼くので、自分の生地が流れて他人の生地と合流してしまわないように『ここは自分の陣地!(これは自分のもんじゃ)』とハッキリさせる
などの必要性があったようで、その名残といわれています。
もんじゃの焼き方にそもそも作法なんて必要?
もんじゃ焼きは、昭和20年代から昭和40年代頃は、「おやつ」「間食」として駄菓子屋で食べられていました。
もんじゃの立ち位置というのは、駄菓子なのです。
それを「もんじゃ店」という看板を掲げた大人がオカズやおつまみとして昇華させたのです。
当店ダコタの方針としては、もんじゃをもっと気軽な食べ物として、堅苦しいことはナシでいいじゃないか!と思うわけです。
実際当店のマスターもママも下町のガキンチョとして、もんじゃを身近なものとして育ってきました。
『箸で食べちゃダメ! 絶対はがしで』
『土手を決壊させるのは粋じゃない』
とか、そんなお作法なんて考えずに楽しく美味しく召し上がっていただきたいなと思うわけです。
でも、素手だと火傷しちゃうからやめましょうね。
曳舟流もんじゃの流派って?
難しいことは一切ナシ! でいきいましょう。
キャベツは細かく刻む!とか
土手は絶対! 崩壊させるなんてありえない!とか
はがしで食べないなんて!とか
『浅草流が元祖』とか『月島流が主流』とか
これが王道で正道!とか、そんなの邪道!とか
ルールはナシ! お好きなように!
今日は土手を作らないで、鉄板に一気に流して作ってみよう!とか
熱いの苦手だからお皿に取って箸で食べるよ、とか
次のもんじゃは変わり種トッピング!とか
その日の気分で、お好きなように。お好み焼きよりもお好みで。
自由に気楽に召し上がっていただくのが、曳舟ダコタ流です!
東京下町のもんじゃ、一度食べに来てくださいね
東京都墨田区京島のもんじゃ店「ダコタ」は京成曳舟駅東口から徒歩1分。
もんじゃが大好きでもんじゃ店をやっている夫婦のお店に、美味しいもんじゃを食べに来て下さいねー。
お一人様でもカウンターで飲みながらもんじゃをお楽しみいただけます! おひとりさま大歓迎です!
当店自慢の牛すじ煮のトッピング! 是非一度ご賞味下さい。